浅野直樹の学習日記

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野中他『憲法』第一七章財政

1.財政の基本原則

(1) 財政民主主義の原則

 

(2) 租税法律主義

課税要件法定主義…通達課税(最判昭和33.3.28)

課税要件明確主義…秋田市国民健康保険税条例事件(仙台高判昭和57.7.23)

租税法律主義の適用範囲…手数料などが租税に含まれるかどうか(財政法3条、憲法83条、憲法84条)

 

(3) 国庫の支出および国庫債務負担行為の議決

 

(4) 公金その他公の財産の支出または利用の制限

宗教上の組織・団体…厳格説と寛大説

宗教法人に対する免税措置…合憲説と違憲説

慈善・教育・博愛事業に対する支出…公費濫用防止説、自主性確保説、中立性確保説

「公の支配」と私学助成の合憲性

 

2.財政監督の方式

(1) 予算

予算の内容…予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費、国庫債務負担行為

予算の種類…本予算、補正予算(追加予算・修正予算)、暫定予算

予算の法的性格…予算に法的性格を認めるかどうか

国会の予算修正権…減額修正は可能、増額修正については議論あり

予算と法律の不一致

 

(2) 予備費

事後に国会の承諾を得なければならない

 

(3) 決算

会計検査院の検査

国会の審査

 

(4) 財政状況の報告

 



野中他『憲法』第一六章裁判所と憲法訴訟

1.司法権

(1) 司法権の意義

司法権の範囲…行政裁判を含むかどうか

法律上の争訟

 

(2) 司法権の限界

立法権に対する限界…議院の自立権、立法裁量

行政権に対する限界…行政庁の裁量、行政庁の第一次的判断権、執行停止に対する内閣総理大臣の異議

司法権と「部分社会の法理」…最判昭和35.10.19――地方議会議員懲罰事件、最判昭和52.3.15――富山大学単位不認定事件、最判昭和63.12.20--袴田事件

 

(3) 司法権の帰属

一元的な司法権

特別裁判所の禁止

行政機関による終審裁判の禁止

司法権の帰属の例外…議員資格争訟、弾劾裁判所

一般市民の裁判への参加…裁判員制度(陪審制と参審制の中間)

 

2.司法権の独立

(1) 裁判官の職権の独立

裁判官の良心

職権の独立の範囲と限界…議院の国政調査権、司法内部における統制(平賀書簡問題)

 

(2) 裁判官の身分保障

身分保障の限界…分限裁判(理由の限定)、弾劾裁判、任命欠格事由発生、懲戒処分、司法行政上の問題(再任)

 

(3) 司法府の独立と自主性

 

3.裁判所の構成と権能

(1) 最高裁判所

最高裁判所の構成…15人、内閣が任命

国民審査制

法廷構成…大法廷と小法廷

最高裁判所の権能…裁判権、規則制定権、司法行政権、下級裁判所裁判官の指名

 

(2) 下級裁判所

下級裁判所の構成…高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所

裁判官の任命・再任をめぐる解釈問題…指名と任命の関係、指名の問題点、再任の問題点

 

4.裁判の手続きと運用

(1) 訴訟手続きの構造

訴訟手続きの構造…刑事訴訟法、民事訴訟法、行政事件訴訟法など

検察官と弁護士

 

(2) 裁判の公開

裁判の公開原則…訴訟記録へのアクセス権、訴訟当事者の利益のための裁判非公開の是非、証人尋問の際の証人の遮へい等、インカメラ審理

傍聴の自由とその制限…傍聴メモ(最判平成1.3.8――傍聴メモ事件)、裁判報道の自由、非訴事件

 

5.違憲審査制

(1) 違憲審査制の意義

アメリカ型・付随的違憲審査制とドイツ型・憲法裁判制

 

(2) 違憲審査制の性格

直接に最高裁判所に対して求めることができるものではない(最判昭和27.10.8--警察予備隊事件)

 

(3) 違憲審査権の主体

下級裁判所も含まれる

 

(4) 違憲審査の対象

国内法規範…一切の法規範が対象になる

条約…肯定説と否定説

統治行為…最判昭和35.6.8――苫米地事件

立法不作為…最判平成17.9.14――在外選挙制度事件

私法行為…間接適用説

 

6.憲法訴訟

(1) 憲法訴訟のあり方

司法の積極主義と消極主義(ブランダイス判事の7準則)

 

(2) 憲法訴訟の要件と手続き(行政事件訴訟)

取消訴訟…処分性、原告適格、訴えの利益(狭義)

民衆訴訟…議員定数違憲訴訟、地鎮祭違憲訴訟など

機関訴訟…沖縄代理署名訴訟など

第三者の権利の援用…第三者所有物没収事件、明確性の要求

手続き…跳躍上告、大法廷

 

(3) 審査の方法と基準

審査の方法…立法事実

審査の基準…合憲性推定の原則、「二重の基準」論、学説における審査基準(「明白かつ現在の危険」基準、LRA基準、厳格な合理性の基準、合理性の基準)

 

(4) 憲法判断の方法

憲法判断の回避…憲法判断そのものの回避(恵庭事件判決、第二次教科書検定違憲訴訟控訴審判決など)、合憲限定解釈(全逓東京中郵便局事件判決、税関検査事件判決など)

違憲判断の方法…法令違憲(尊属殺重罰規定違憲判決など)、適用違憲(猿払事件一審判決、全逓プラカード事件一審判決、第二次教科書訴訟杉本判決など)、運用違憲(東京都公安条例寺尾判決など)、違憲状態の確認(衆議院議員定数不均衡違憲判決など)

 

(5) 判決の効力

個別的効力説と一般的効力説

 

(6) 憲法判例の意義

憲法判例の拘束力

 



野中他『憲法』第一五章内閣

1.国政上の地位と性格

(1) 行政権の主体

天皇→内閣

行政国家

 

(2) 「首長」型内閣

 

(3) 議院内閣制

責任本質説と均衡本質説

 

(4) 行政権のコントロール

 

2.内閣の組織

(1) 法律による行政組織

内閣と「行政各部」

首相と内閣のリーダーシップの確立…内閣官房の強化、内閣府の設置、省庁再編

 

(2) 内閣の成立

内閣総理大臣

指名資格…国会議員で文民であること

地位と権能…内閣の組織・維持、運営、代表

国務大臣

 

(3) 内閣の総辞職

内閣不信任後10日以内に解散がなされなかった場合

内閣総理大臣が欠けたとき

衆議院議員総選挙後の初の国会

 

3.内閣の権限

(1) 行政権

「行政権」の意味…控除説

内閣に「属する」の意味…行政委員会の合憲性

形式的意義の行政…法律の誠実な執行と国務の総理、外交関係の処理、条約の締結、官吏に関する事務の掌理、予算の作成・国会提出、政令制定権、恩赦の決定

 

(2) 他機関との関係における権限

天皇との関係

国会との関係…国会の召集、衆議院の解散権(無制限の解散か内閣不信任に限定か)、参議院の緊急集会を求める権限、議案の提出権

 

4.内閣の権限行使と責任

(1) 権限行使の方式

閣議

 

(2) 内閣の責任

国会に対する政治責任

 

 

 

 



野中他『憲法』第一四章国会

1.代表民主制と選挙・政党

(1) 代表民主制

直接民主制と代表民主制

 

(2) 選挙・投票の原則

普通選挙――満何歳で「成年者」とするか

平等選挙――議員定数不均衡問題、在外国民の選挙権制限違憲判決

自由選挙――事前運動の禁止、戸別訪問の禁止、文書図画規制、選挙における報道・評論などの規制

直接選挙――間接選挙が憲法上許されるかどうか

秘密投票――投票自書制、投票用紙の検索

 

(3) 選挙・投票の方法

選挙区制――大選挙区制、小選挙区制

投票の方法――単記投票法、連記投票法

多数代表と少数代表

比例代表制――単記移譲式、名簿式

 

(4) 現行制度の仕組みと問題点および改革論

A.衆議院議員選挙

小選挙区比例代表並立制(小選挙区300、比例代表180)

一人別枠方式

重複立候補

政党中心の選挙

B.参議院議員選挙

全国ブロック非拘束名簿式比例選挙(96)+都道府県単位選挙区選挙(146)

3年ごとに半数改選

 

(5) 選挙に関する争訟

選挙争訟

当選争訟

連座制による当選無効・立候補制限

 

(6) 政党

 

2.国会の地位と性格

(1) 国民の代表機関

「代表」の意味…法的な意味ではなく政治的・社会学的意味

「全国民の代表」の憲法的意味…自由委任が原則だが党議拘束は許される

比例代表制と党籍の変動…議席喪失説と議席保有説

政党からの除名と繰上補充…当選無効(東京高裁平成6.11.29)⇔当選無効ではない(最判平成7.5.25)

 

(2) 国権の最高機関

「国権」の意味…権利の主体である国家の意志力(国家法人説)と統治活動をなす諸々の権力の総称

国権の「最高機関」の意味…統括機関説(国家法人説)と政治的美称説と最高責任地位説

 

(3) 唯一の立法機関

「唯一」の意味…国会中心立法、国会単独立法

「立法」の意味…形式的意味と実質的意味

 

3.国会の組織

(1) 二院制

貴族院型、連邦制型、民主的第二次院型

 

(2) 二院相互の関係

組織上の関係

活動上の関係…同時活動の原則、独立活動の原則

権能上の関係…内閣信任・不信任決議権、予算先議権は衆議院のみ、法律案の議決、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名については衆議院の優越

 

(3) 議院の組織

議院の役員…議長、副議長など

委員会…常任委員会と特別委員会

附置機関…事務局など

 

4.国会議員の地位

(1) 国会議員の身分の得喪・兼職禁止・任期および特典

国会議員の身分の得喪

兼職の禁止

国会議員の任期…衆議院議員4年、参議院議員6年

国会議員の特典…不逮捕特権、発言・表決免責特典、歳費請求権

 

(2) 国会議員の権能

議案の発議権…一般議案は衆議院議院20名以上、参議院議員10名以上

動議の提出権…参議院では一人以上の賛成が必要

質問権

質疑権

討論権

表決権

 

5.国会の開閉

(1) 会期

会期制度

常会・臨時会・特別会

活動の開始…行政府による召集の建前をとるが、議院にも召集要求権が認められる

休会…年末年始など

閉会

 

(2) 衆議院の解散

 

(3) 参議院の緊急集会

集会の要件および手続…衆議院の解散中、国に緊急の必要があるとき、内閣の求めによって行われる

10日以内に衆議院の同意が必要

 

6.会議の原則

(1) 定足数

総議員の3分の1以上

定足数の認定は議院の自主的な判断に委ねられている

 

(2) 表決数

出席議員の過半数

 

(3) 議長の決裁権

「可否同数のときは、議長の決するところによる」

 

(4) 特別多数を要する例外

・憲法改正発議

・議員の資格争訟

・秘密会

・議院除名

・衆議院での法律案再議決

*憲法改正発議は総議員の3分の2、それ以外は出席議員の3分の2

 

(5) 一事不再議

 

(6) 会議の公開

 

(7) 両院協議会

必要的…予算の議決、条約の締結の承認、内閣総理大臣の指名

任意的…法律案の議決

 

(8) 国務大臣の議院出席

 

7.国会の権能

(1) 憲法改正の発議

 

(2) 法律の議決

 

(3) 条約の承認

 

(4) 内閣総理大臣の指名

 

(5) 内閣の報告を受ける権能

 

(6) 弾劾裁判所の設置

 

(7) 財政の統制

 

(8) 皇室財産授受の議決

 

(9) 法律に基づく権能

 

8.議院の権能

(1) 国政調査権

性質…独立権能説と補助的権能説

調査権の範囲と限界…司法権との関係(司法権の独立)、検察権との関係(東京地判昭和57.1.26――ロッキード事件)、行政権との関係(公務員の職務秘密)、人権との関係(証言拒絶)

 

(2) 議院規則

国会法との優劣

 

(3) 議員の懲罰

懲罰事由と懲罰の種類、懲罰の手続き(懲罰委員会)、懲罰と会期 (後会に継続)、懲罰と司法権(裁判所に出訴できるかどうか)

 

(4) 議員の資格争訟の裁判

 

(5) 請願の受理・議決

 

(6) 議員逮捕の許諾および釈放の要求

 

(7) 会議の公開の停止

 

(8) 役員の選任

 

(9) 国務大臣の出席要求

 

(10) 決議

内閣不信任など

 




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