浅野直樹の学習日記

この画面は、簡易表示です

2023 / 2月

司法試験予備試験10年間の学習記録(2)基本書

科目ごとに基本書をまとめます。

私が読んだものがどの版だったか確認するのが面倒なので、すべて現時点での最新の版で紹介します。

日本評論社の『基本○○法』シリーズは、2022年(令和4年)の予備試験の受験が終わってから読みました。

 

1.全体像

以下のような連続投稿を予定しています。

  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(1)時系列
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(2)基本書…本記事
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(3)判例集
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(4)過去問
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(5)条文
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(6)演習書
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(7)その他

 

2.憲法

個人的に憲法の基本書にはまだ迷いがありますが、いくつか挙げておきます。


憲法


作 者: 

出版社: 岩波書店

発売日: 2019年04月26日


憲法1


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2020年05月12日


憲法2


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2020年05月12日


基本憲法1


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2017年03月22日

基本書を通読はしていませんが、過去問を解いたりしているときにわからないことを調べて市川正人さんの論文にたどり着いて読むことも何度かありました。

 

3.行政法

行政法は、個別的な演習の比重が高いので、基本書としては宇賀克也『行政法』だけでもよいかもしれないと思ったりします。


行政法


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2018年04月09日

同著者のもっと分量の多い本も一度読みました。


行政法概説1


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2020年05月26日


行政法概説2


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2021年04月16日


行政法概説3


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2019年04月25日

日本評論社の『基本○○法』シリーズもあります。


基本行政法


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2018年04月18日

 

4.民法

定番ですが、一人の著者が民法の全範囲をカバーしていますし、この度の民法改正の中心人物でもありますから(『民法III 第4版』を読むと民法改正の裏側が垣間見えたりします)、内田貴『民法I-IV』を筆頭に掲げます。


民法


作 者: 

出版社: 東京大学出版会

発売日: 2008年06月25日


民法


作 者: 

出版社: 東京大学出版会

発売日: 2011年07月01日


民法3


作 者: 

出版社: 東京大学出版会

発売日: 2020年06月08日


民法


作 者: 

出版社: 東京大学出版会

発売日: 2004年04月20日

潮見佳男『民法(全)』も読みました。


民法


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2023年06月20日

 

5.商法(会社法)

まずは会社法部分から。単独著者の以下の3冊を読みました。


株式会社法


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2021年06月11日


会社法


作 者: 

出版社: 弘文堂

発売日: 2022年04月13日


会社法


作 者: 

出版社: 東京大学出版会

発売日: 2021年04月13日

会社法以外の部分はこれを10年近く前に読みました。読んだのは必然的に古い版です。


リーガルマインド商法総則・商行為法


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2019年04月18日


リーガルマインド手形法・小切手法


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2018年12月03日

 

6.民事訴訟法

最初に藤田広美『講義 民事訴訟』を読みました。


講義民事訴訟


作 者: 

出版社: 東京大学出版会

発売日: 2013年06月28日

次に、新訴訟物理論に興味を持ち、新堂幸司『新民事訴訟法』に挑戦しました。


新民事訴訟法


作 者: 

出版社: 弘文堂

発売日: 2019年11月27日

そして、学説の整理をしたく、高橋宏志『重点講義民事訴訟法 上・下』を読みました。


重点講義民事訴訟法


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2013年10月25日


重点講義民事訴訟法


作 者: 

出版社: 有斐閣

発売日: 2014年11月04日

最後に、著者の一般向けの本から知った瀬木比呂志『民事訴訟法』を読みました。


民事訴訟法


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2023年01月10日

 

7.刑法

パラパラと見てみた本は他にもいくつかありますが、何度か通読したのは西田典之(橋爪隆補訂)『刑法総論(法律学講座双書)』『刑法各論(同)』です。


刑法総論


作 者: 

出版社: 弘文堂

発売日: 2019年04月22日


刑法各論


作 者: 

出版社: 弘文堂

発売日: 2018年04月17日

試験対策としては日本評論社の『基本○○法』シリーズに分があるでしょうね。


基本刑法1


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2019年04月19日


基本刑法2


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2018年04月26日

 

8.刑事訴訟法

刑事訴訟法も、学術書に近い基本書と予備校本に近い基本書の両方を読むと理解が深まるかなと思います。


刑事訴訟法


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2021年04月27日


刑事訴訟法


作 者: 

出版社: 成文堂

発売日: 2021年03月19日


基本刑事訴訟法1


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2020年08月25日


基本刑事訴訟法2


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2021年04月27日

 

9.法律実務基礎科目

(1)民事実務

要件事実について、記憶力に難のある私は、これら5冊を全部読むことでようやくある程度つかめたという感触を得ました。


新問題研究要件事実


作 者: 

出版社: 法曹会

発売日: 2020年09月14日


紛争類型別の要件事実 : 民事訴訟における攻撃防御の構造


作 者: 

出版社: 法曹会

発売日: 2021年04月28日


完全講義民事裁判実務の基礎


作 者: 

出版社: 民事法研究会

発売日: 2018年10月16日


完全講義民事裁判実務の基礎


作 者: 

出版社: 民事法研究会

発売日: 2016年10月21日


要件事実論30講


作 者: 

出版社: 弘文堂

発売日: 2018年03月22日

民事執行法・民事保全法については1冊しか読んでいません。


実践民事執行法民事保全法


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2022年09月01日

(2)刑事実務

刑事実務の基本書は何かと言われると悩みますが、便宜上、松尾浩也・岩瀬徹編『実例刑事訴訟法I・II・III』をここで挙げます。


実例刑事訴訟法


作 者: 

出版社: 青林書院

発売日: 2022年01月27日


実例刑事訴訟法


作 者: 

出版社: 青林書院

発売日: 2022年01月27日


実例刑事訴訟法


作 者: 

出版社: 青林書院

発売日: 2022年01月27日

 

10.労働法

労働法と言えば、この2冊を押さえておけば大丈夫でしょう。


労働法


作 者: 

出版社: 日本評論社

発売日: 2020年07月07日


労働法


作 者: 

出版社: 弘文堂

発売日: 2019年12月13日

前者を労働側の主張を組み立てる際の参考に、後者を使用者側の反論を想定して読むというイメージです。

 

 



司法試験予備試験10年間の学習記録(1)時系列

私は2013年(平成25年)から予備試験を受け続け、2022年(令和4年)に合格しました。2023年(令和5年)の司法試験を受験する予定です。

 

時々お問い合わせを受けることもありますし、この時期に予備試験の学習記録をまとめておくのも悪くないと思い、筆を執りました。

 

1.全体像

以下のような連続投稿を予定しています。

  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(1)時系列…本記事
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(2)基本書
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(3)判例集
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(4)過去問
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(5)条文
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(6)演習書
  • 司法試験予備試験10年間の学習記録(7)その他

 

2.この記事を読む前に

(1)雑感

司法試験も予備試験も相対評価であり、配点や出題形式、問題のめぐり合わせもあって、不確実要素が大きいと感じています。短答式試験は一般教養科目の配点割合が高く、その得意・不得意によって戦略が変わります。論文式試験は手応えと結果を一致させるのが難しいです。口述式試験は、一定の知識があることを前提として、臨機応変に対応できるか、試験委員の感触を把握して誘導に乗れるかなど、論文式試験とは異なる部分が問われるように感じました。

(2)私の特徴

  • 非法学部、非法科大学院の純粋未修者です
  • 予備校は基本的に利用していません(出版物と解答速報は利用しています)
  • 暗記が極度に苦手です(いまだに行政法の処分性や原告適格のテンプレート的な言い回しを完全に覚えられていません)
  • 読書は苦行ではなく、むしろ休憩だと感じます
  • いろいろな科目を教える塾講師を長くしていたこともあり、短答の一般教養科目は何も対策せずに安定して8〜9割取れます
  • 受験生との交流はほぼありません
  • 仕事の忙しさにムラがあり、勉強時間を計測していません
  • 日々の業務や活動で法律を使うことが少しあります

 

3.過去の成績

最新の結果へのリンクです。そのリンク先に過去の結果へのリンクもあります。

10年分となると結構なボリュームになりますから、表にまとめました。合計点(順位)です。

年度 短答 論文 口述
2022年(令和4年) 197(166) 256.06(467) 122(18)
2021年(令和3年) 194(327) 224.07(772)
2020年(令和2年) 166(1607) 211.45(812)
2019年(令和1年) 191(340) 174.93(1705)
2018年(平成30年) 182(839) 231.78(619)
2017年(平成29年) 177(801) 200.25(1270)
2016年(平成28年) 161(2703)
2015年(平成27年) 214(95) 221.69(673)
2014年(平成26年) 179(1288) 112.18(1810)
2013年(平成25年) 167(2196)

 

4.時系列

(1)1〜3年目

それなりの時間を確保して集中的に基本書や判例集を読んで知識をインプットするとともに、過去問にも取り組んで司法試験予備試験の感覚をつかもうとしました。

当時に書いた記事へのリンクを貼っておきます。

3年目くらいになると、何の話をしているのかわからないということはなくなったように感じました。

(2)4〜7年目

この時期には仕事が忙しくほとんど勉強時間を確保できない年もあり、受験しないでおこうかと考えたこともありましたが、毎年受験することだけは自分に課しました。

論文式試験の答案の書き方がわからず、試行錯誤を重ねました。その形跡の記事へのリンクも貼っておきます。

自分なりに論証集のようなものを作ろうとしたり、判例の原文を読み込んだり、旧司法試験の過去問をやってみたり、他の受験生の再現答案を見比べたりと、いろいろしてみました。

(3)8〜10年目

この時期になると、おぼろげながら、論文式試験の答案の書き方が見えてきたような気がしました。

比較的勉強時間を確保できたこともあり、演習書を読んだり、司法試験の論文式試験の過去問に取り組んだりしました。

AIではありませんが、司法試験の論文式試験に関して公開されている出題の趣旨と採点実感を大量に読んで、そこで学習したことを適用するのが最も有効な試験対策であるようにも思われます。

10年目には、個人で答案添削をされている方のサービスを利用しました。

 

この記事はこれで終わりです。具体的にどの本を読んだのかなどは、次回以降の記事で書いていくつもりです。




top