私は法学部出身ではなく、予備校にも通わず、独学で勉強しながら司法試験予備試験を受け続けています。
論文式試験の答案の書き方に苦労しています。実際に試験を受けた手応えと結果とが一致しないのもそれが原因だと思われます。
令和元年(2019年)司法試験予備試験論文の振り返りをして、答案の書き方が少し見えてきた気がしました。
同じような悩みを持つ方に、また、試験を受けるつもりはなくても法律家の思考回路を知っておきたいという方のために、私が何回も司法試験予備試験を受験することで見えてきたことをまとめます。
以前にまとめた司法試験予備試験答案の書き方よりもクリアになっていると思います。
結論から言うと、(1)適用可能性のある条文の提示、(2)その条文中のわかりづらい語句や条文には書いていないことの解釈、(3)その解釈に従った問題文に対する一定の結論づけ、というものです。
俗に(1)論点抽出、(2)規範定立、(3)当てはめ、と呼ばれているものを、私なりに言い替えた理解です。
令和元年予備試験論文式憲法参考答案などの参考答案をよく拝見しているstudywebさんは、こう書いています。
(1)基本論点を抽出できている。
(2)当該事案を解決する規範を明示できている。
(3)その規範に問題文中のどの事実が当てはまるのかを摘示できている。
私はこれを次のように理解しました。
(1)適用可能性のある条文を挙げられている。
(2)(問題文の事案を解決するために必要な限りで)その条文中のわかりづらい語句や条文には書いていないことの解釈が示されている。
(3)その解釈に従って問題文の事情を当てはめ、一定の結論を導いている。
法律等の条文は万人に公開されています。それでも法律家が必要とされるのは、その条文の解釈が難しい場合があるからです。その解釈は、判例を通じて確立されていることも多いです。趣旨に遡って考えるということも有効です。
上記(1)〜(3)を心がければ、「法的三段論法」と呼ばれる形になります。
余談ですが、私は「三段論法」という名称が誤解を招くと考えています。
まず、解釈を積み重ねるなどして、四段論法や五段論法になることもあることが挙げられます。
次に、数学的な三段論法と混同してしまうことが挙げられます。
数学的な三段論法では、「A=C」を示したいとして、「A=B、B=C、ゆえにA=C」としても、「B=C、A=B、ゆえにA=C」としても問題ありません。
しかし、法的三段論法では、「ソクラテスは死すべきものである」ことを示したいとして、「すべての人間は死すべきものである、ソクラテスは人間である、ゆえにソクラテスは死すべきものである」という順番を守らなければならず、「ソクラテスは人間である、すべての人間は死すべきものである、ゆえにソクラテスは死すべきものである」という順番は認められません。
私の答案が読みにくいと言われるのはこの順番を守っていなかったからだと気づきました。
この答案の書き方が有効かどうか、次の機会に試してみたいです。
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[…] 今年の5月に司法試験予備試験答案の書き方2をまとめました。そこで書いたことを実践したつもりです。 […]