浅野直樹の学習日記

この画面は、簡易表示です

2013 / 12月

内田貴『民法I』第7章―契約の効力発生時期――条件・期限・期間

[一] 条件・期限

1 条件・期限の種類と区別

停止条件と解除条件

確定期限と不確定期限

2 出世払債務

判例は期限だと解している

3 条件

(1) 条件に関する制約

条件に親しまない行為…身分行為と単独行為

条件として認められない事柄…不法条件、不能条件、純粋随意条件

(2) 条件成就の擬制

条件成就の妨害

条件成就の誘導

(3) 条件の成否未定の間の期待権

4 期限

期限の利益

 

[二] 期間

初日不算入の原則

 



労働組合の規約サンプル

日本の法律では2人以上集まれば自由に労働組合が作れます。どこかに届ける必要などありません。サークルを作る感覚で作れます。これは他の国と比較してもすごいことだと言われています。労働組合を作れば話し合いの場を設定できますし(使用者に団交応諾義務が生じる)、正当な組合活動は民事上も刑事上も免責されます。

 

ところでいざ労働組合を作るとなると、どうしたらよいのか戸惑います。いくら自由に作れるといっても、後々のトラブルを避けるために、一定の手続きは踏んでおくべきでしょう。その一つの大きな作業が規約の作成です。

 

規約というのは団体のルールです。趣味のサークルでも簡単なルールくらいはあったほうがよいでしょう。それに加えて労働組合の場合は、団交拒否や組合員であることによる不利益取り扱いなどについて労働委員会で救済を求める際には資格審査を受けなければならないので、その条件(労働組合法5条2項)を満たすような文言を規約に盛り込んでおくとよいです。もっとも、労働委員会の手続きと同時並行で資格審査も行われるので、そこで不備を指摘されたら修正すればよい、というくらいの心構えで大丈夫です。

 

まずサンプルをPDFで出しておきます。

 

企業内組合版  合同労組版

 

それでは以下で具体的な例とコメントを示しましょう。

 

第1章 総則

第1条(名称)
この組合は〇〇労働組合という。

労組法5条2項1号。名称は労働組合でもユニオンでもよいですが、一般に企業内組合は労働組合、地域等の合同労働組合はユニオンとされることが多いです。

 

第2条(所在地)
この組合の主たる事務所を〇〇市〇〇町〇〇番地に置く。

労組法5条2項2号。代表者の自宅などでもよいです。

 

第3条(目的)
この組合は組合員の労働条件の維持改善および経済的社会的地位の向上を図ることを目的とする。

これが最低限度です。「組合員の文化的な活動を促進する」といった文言を付け加えてもよいです。

 

第4条(事業)
この組合は前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
(1) 団体交渉を通じた労働条件の維持改善
(2) 労働協約の締結、改定
(3) 組合員の教養、文化の向上
(4) 組合員並びにその家族の福利厚生共済
(5) 同一目的を有する他団体との協力
(6) その他この組合の目的達成に必要な事項

およそこんなところだと思います。

 

第2章 組合員

第5条(組合員の範囲)
【a】
この組合の組合員は原則として〇〇〇会社の従業員とする。ただし、会社の利益を代表すると認められる地位にある者などは除く。
【b】
この組合の組合員は、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者とする。ただし、会社の利益を代表すると認められる地位にある者などは除く。

はっきりと企業内組合にするならa、そうでないならbをおすすめします。

 

第6条(資格の平等)
何人も、いかなる場合にも、人権、宗教、性別、門地または身分により、組合員たる資格を奪われ、または差別的取扱いを受けることはない。

労組法5条2項4号。

 

第7条(権利)
組合員は平等に次の権利を有する。
(1) 組合員はすべての活動に参加し、また組合の利益を受けること。
(2) 組合のすべての問題に自由に意見を述べ、かつ、議決に参加すること。
(3) 役員に選挙され、これに就任することおよび役員を選挙すること。
(4) 規約に定める手続きを経ずに除名、権利停止等の処分を受けないこと。
(5) 会計の帳簿および組合の書類を閲覧すること。
(6) 役員および機関を弾劾すること。

労組法5条2項3号。

 

第8条(義務)
組合員は平等に次の義務を負う。
(1) 規約を遵守し、機関の決定統制に従うこと。
(2) 所定の組合費等を納入すること。

これが基本でしょう。

 

第9条(加入)
この組合に加入するときは、所定の加入申込書に必要事項を記入のうえ執行委員長に提出し、執行委員会の承認を得るものとする。

こう書くと所定の加入申込書を用意する必要があります。

 

第10条(脱退)
この組合を脱退するときは、所定の脱退届に必要な事項を記載のうえ執行委員長に提出し、執行委員会の承認を得るものとする。

同様にこう書くと脱退届も用意する必要があります。それが面倒なら「所定の」という文言を削ってください。

 

第11条(資格の喪失)
組合員は次の各項に該当した場合に、組合員たる資格を喪失する。ただし、解雇について紛争を生じた場合は、これが解決するまでその資格を失わないものとする。
(1) 会社と雇用関係が消滅したとき(退職)
(2) 第5条に規定する非組合員の地位に該当したとき
(3) 組合を除名されたとき
(4) 脱退が認められたとき
(5) 死亡したとき

合同労組の場合(第5条でbを選んだ場合)は本文ただし書き(ただし、解雇について紛争を生じた場合は、これが解決するまでその資格を失わないものとする。)と(1)の項目を削除して、残り4つを繰り上げてください。

 

第3章 組織

第1節 役員

第12条(種類)
この組合に次の役員を置く。
(1) 執行委員長 1名
(2) 会計監査 1名
(3) 会計 1名
(4) 書記長 1名
(5) 執行委員 若干名

2人で労働組合を作るときなど、人数が少ないとここが難しくなります。私の考えでは、執行委員長、会計監査、会計、書記長、執行委員という優先順位です。執行委員長(代表者)が必要なのは当然として、会計監査も労組法で定められているので重要だと考えました(外部の公認会計士に頼んだりするあてがあるなら話は別かもしれません)。2人で組合を作るなら執行委員長と会計監査だけにしてください。以下組合を作る人数が増えるごとに、会計、書記長、執行委員を加えてください。人数が読めないならミニマムに執行委員長と会計監査だけにしておくほうが安全かもしれません。人数が多く見込めるなら副執行委員長などを設けてもよいでしょう。

 

第13条(役員の権利義務)
役員の職務は次のとおりとする。
(1) 執行委員長はこの組合を代表し、業務を統括する。
(2) 会計監査はこの労働組合の財政、財産に関わる業務を監査する。
(3) 会計はこの労働組合の財政、財産の処理および管理にあたる。
(4) 書記長は執行委員長を補佐し、日常業務を処理する。
(5) 執行委員は組合員を指導し、日常業務を執行する。

第12条と整合するように、削った役職があれば第13条の説明も削ってください。

 

第14条(役員の選挙)
組合役員は組合員の直接無記名投票によって選挙する。

労組法5条2項5号。

 

第15条(役員の任期)
役員の任期は定期大会から、次期定期大会までとし、再選を妨げない。
2 役員に欠員を生じたときは補充することができる。補充役員の任期は、前任者の残任期間とする。

これが標準的な規定だと思います。

 

第2節 機関

第16条(種類)
組合に次の機関を置く。
(1) 大会
(2) 執行委員会

原理的には大会だけでもよいのかもしれませんが、普通はこれが最低限度でしょう。分会や闘争委員会などを任意で設けてもよいです。

 

第17条(大会)
大会は組合の最高決議機関であって全組合員をもって構成する。
2 大会は定期大会と臨時大会とする。
3 定期大会は毎年1回開催し、執行委員長が召集する。
4 臨時大会は、全組合員の3分の1以上の要求があったとき、および執行委員会が必要と認めたときに、 執行委員長が召集する。

労組法5条2項6号。これがシンプルな形だと思います。

 

第18条(大会付議事項)
大会に付議する事項は、次のとおりとする。
(1) 活動方針および年度計画
(2) 予算案および決算報告
(3) 役員の選任および解任
(4) 組合の統合および解散
(5) 組合員の懲戒
(6) 規約および諸規定の制定、改廃
(7) ストライキ権の確立
(8) その他組合の目的達成のための必要な事項

労組法5条2項5号〜9号。ここは労働委員会の資格審査に大きく関わるところなので間違いのないようにしてください。(7)は「ストライキ権の確立」とするのが最も機動的です。大会でストライキ権さえ確立しておけば、あとは執行委員会で柔軟に動けます。

 

第19条(定数)
大会は組合員の過半数の出席により成立する。

第18条の(6)や(7)は全組合員の過半数の賛成が必要だと労組法は読めるので、組合員の過半数の出席がなければ大会が成立しないことになります。もっとも労組法を全組合員ではなく有効投票数の過半数だと読めば定数を3分の1などもっと低くできるのかもしれません。

 

第20条(議決)
大会付議事項の議決については出席組合員の過半数の賛成を要し、可否同数のときは議長が決める。ただし、第18条(3)、(6)、(7)の場合は、組合員の直接無記名投票を行い、(3)については有効投票数の、(6)、(7)については全組合員の過半数をもって決定する。

まず、(3)、(6)、(7)については労組法で組合員の直接無記名投票が定められています(逆に言うと、その他の議決については挙手や拍手でよいということです)。(6)、(7)を全組合の過半数とするか有効投票数の過半数とするかは、私にははっきりとしたことがわかりません。全組合員にしておけば安全ではあります。また、例えば組合の解散については過半数ではなく4分の3にするなど、調整することも可能です。

 

第21条(議長の選出)
大会の議長は、組合員の中から立候補又は推薦により選出する。

もちろんこう規定しますが、実際には事前に根回しをしておくべきです。

 

第22条(執行委員会)
執行委員会は、組合の執行機関で会計監査を除く役員全員をもって構成し、執行業務について協議決定する。

執行委員会の標準的な定義はこれでしょう。

 

第23条(緊急処理)
執行委員会は、緊急な事態が発生し、しかも大会を開催することが困難な場合は、大会の議を経ないでこれを処理することができる。ただし、次の大会においてその承認を得なければならない。

念のためにこのような規定を設けておいてもよいでしょう。

 

第4章 会計

第24条(経費)
この組合の経費は、組合費、寄附金およびその他の収入をもって充てる。

他にも収入のあてがあるなら列挙しても構いません。

 

第25条(組合費)
この組合の組合費は月額〇円とする。また、大会の決議により臨時に組合費を徴収することができる。

適当な額を定めてください。

 

第26条(会計年度)
会計年度は毎年〇月〇日にはじまり翌年の〇月〇日に終わる。

組合設立に合わせて適当な時期を定めてください。例えば結成大会を12月25日にするなら、12月1日から翌年の11月30日にすると次の大会まで間があるので都合がよいです。

 

第27条(会計監査)
この組合のすべての会計は、会計年度ごとに書類を作成し、組合員によって委嘱された職業的に資格のある会計監査人の正確であるとの証明書を付して定期大会に報告し、承認を受けなければならない。

実際のところは公認会計士に依頼するのが難しいですが、こう書いておかないと労働委員会の資格審査に通りません。

 

第5章 争議

第28条(同盟罷業)
同盟罷業(ストライキ)の開始は、全組合員の直接無記名投票による過半数の賛成がなければ決定することはできない。

労組法5条2項8号。第18条で規定してあるのに重ねて規定する必要があるのかどうか迷います。

 

第6章 統制

第29条(制裁)
組合員が次の行為をしたときは、大会の決議により制裁を受ける。
(1) 規約および決議に違反したとき
(2) 組合の統制を乱した行為をしたとき
(3) 組合の名誉を汚したとき
(4) 正当な理由なく組合費を滞納したとき
2 懲戒の種類は次の三種とする。
(1) 戒告
(2) 権利停止
(3) 除名

これが標準でしょう。表彰について規定してもよいです。

 

第30条(弁明)
前条の決議に際して、当該組合員はあらかじめ各種機関において弁明の機会を与えられなければならない。

こうした手続き規定は必須です。

 

第7章 規約の改廃

第31条(規約の改廃)
この規約の改廃は、全組合員の直接無記名投票による過半数の賛成がなければできない。

労組法5条2項9号。第18条ですでに規定してあるので、確認になります。

 

第8章 附則

第32条(効力)
この規約は〇年〇月〇日より施行する。

設立大会の日を入れれば大丈夫だと思います。

 

これで大丈夫だとは思いますが、思わぬ見落としがあるかもしれません。もし何か気づいた方がいらっしゃいましたら、どうかご指摘ください。

 



内田貴『民法I』第6章―契約の有効性

[一] 序

(1) 契約の効力と有効性

有効に成立→効力発生

(2) 契約の有効性をめぐる2つの視点

 

[二] 当事者にかかわる一般的有効要件

意思能力・行為能力

意志の欠缺・瑕疵

 

[三] 契約内容についての一般的有効要件

1 確定性

(1) 給付内容が確定できない契約

(2) 解釈による契約内容の確定

2 実現可能性

不能

3 適法性

(1) 強行規定と任意規定

(2) 行政的取締規定と強行規定

(3) 脱法行為

4 社会的妥当性

(1) 犯罪にかかわる行為

(2) 取締規定に反する行為

(3) 人倫に反する行為

(4) 射倖行為

(5) 自由を極度に制限する行為

(6) 暴利行為または不公正な取引行為

(7) 個人の尊厳・男女平等などの基本権に反するもの

(8) その他の問題

 

[四] 有効要件を欠く場合の効果

無効と取消し

 

[五] 無効

1 基本的効果

2 一部無効

3 無効行為の転換

4 無効行為の追認…新しい契約

 

[六] 取消し

1 取消権者

2 取消しの方法

3 取消しの効果

遡及効とその制限

不当利得返還義務

4 取り消し得べき行為を有効な行為として確定する事由

(1) 追認

(2) 法定追認

(3) 取消権の消滅

追認をすることができる時から5年、行為の時から20年(取消的無効との違い)

(4) 相手方の催告権

 

 

 

 



内田貴『民法I』第5章―法人

[一] 法人とは何か

人の集まり(社団)や財産の集合(財団)に権利能力を与える

 

[二] 「法人」総論―法人制度の基本枠組み

1 「法人」の基本ルール

代理人、住所と名前、登記

 

2 法人の種類

社団/財団

営利/公益

営利/非営利

 

3 公益法人制度改革

準則主義へ

 

4 法人の設立

 

[三] 社団と組合

1 社団と組合の峻別論

現代で論争の実益はない

(団体性弱)組合、権利能力なき社団、法人(団体性強)

 

2 批判

区別できない

 

3 法人とは

法技術としての法人

 

[四] 権利能力のない社団

1 権利能力のない社団とは何か

2 権利義務の帰属

組合の場合は合有

3 登記名義…権利能力のない社団に登記請求権はない

4 団体の債務と構成員の責任

(1) 有限責任か無限責任か…有限責任

(2) 代表者の責任…なし

5 構成員の債務と団体財産

(1) 持分の差押え…できない

(2) 登記名義人に対する差押え…可能

 

[五] 法人の組織

理事と社員総会は必置

 

[六] 「法人の能力」と「目的の範囲」

1 法人の権利能力

「目的の範囲」による制限

2 沿革

イギリス法に由来

3 営利法人に関する判例

八幡製鉄政治献金事件

4 非営利法人に関する判例

税理士会、司法書士会など

5 考え方

強制加入団体のように公的性格が強くなると厳格に判断される

権利能力制限説vs代理権制限説

34条の会社への不適用説

 

[七] 定款等による代表者の代理権の制限

1 代表者の権限に加えた制限

「(代表者の)権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない」

2 「目的の範囲」と権限制限

取引の安全、法人の保護

3 権限制限の事例

 

[八] 代表者の代理権に対するその他の制限

競業・利益相反

 

[九] 法人と不法行為

1 法人の不法行為

代表者の加害行為

使用者責任

企業責任

2 「職務を行うについて」

外形理論

3 法人の不法行為と表見代理

(1) なぜ表見代理が問題となるのか

市町村長の越権行為は法令による制限を超えている

(2) 不法行為と表見代理の適用順序

表見代理→不法行為

(3) 法人の不法行為と相手方の善意・無過失

110条とのバランス

4 役員の第三者に対する責任

 

[十] 法人の解散等

 

 

 

 

 

 



内田貴『民法I』第4章―代理

[一] 代理とはなにか

制限能力者の法定代理

法人の代表

任意代理

 

[二] 代理の法律関係(代理の観念)

代理関係

代理行為

代理の効果

 

[三] 代理権―本人と代理人との関係

1 代理権の発生原因

(1) 法定代理

(2) 任意代理…多くの場合委任契約

2 代理権の範囲

(1) 代理権の範囲の確定

(2) 代理権の範囲が明らかでない場合…最低限、管理行為は可能

(3) 自己契約・双方代理…原則禁止

(4) 代理権の濫用…心裡留保説、信義則説、無権代理説

3 復代理人

(1) 復代理人とは何か…代理人が固有の権限として本人の代理人を選任

任意代理では本人の承諾かやむを得ない事由があるときのみ復代理人の選任可

(2) 復代理の関係…直接本人を代理する

4 代理権の消滅

5 任意後見契約制度

(1) 序

任意後見監督人が代理人の事務を監督

(2) 任意後見契約の成立…要式契約、登記が必要

(3) 任意後見契約の効力…任意後見監督人が選任された時から効力を生ずる

(4) 任意後見契約の終了…解除、解任など

 

[四] 代理行為―代理人と相手方との関係

1 顕名

2 代理行為の瑕疵…代理人についてそれを判断するのが原則

3 代理人の能力

(1) 行為能力は必要か…必要でない

(2) 代理人が制限能力者の場合…代理権は将来に向かって消滅する

 

[五] 代理の効果―相手方と本人との関係

本人への効果帰属

 

[六] 無権代理

1 無権代理に関する民法のルール

本人…追認、追認拒絶、何もしない

相手方…催告、取消し、無権代理人の責任追及、表見代理の主張

2 本人がとりうる手段――追認・追認拒絶

3 相手方がとりうる手段

(1) 催告権

(2) 取消権

(3) 無権代理人の責任追及

履行か損害賠償

責任追及の要件…自らが取消権を行使していないこと、代理権がないことにつき善意・無過失であること、無権代理人が行為能力を有すること

(4) 表見代理の主張

判例は表見代理も無権代理の一種だという位置づけ

4 追認と似た状況が生じうる場合

(1) 無権代理人が本人を相続した場合

最高裁平成5年判決…信義則説(追認不可分説)

本人による追認拒絶後の相続…判例は資格融合説的な立場であるが疑問

(2) 本人が無権代理人を相続した場合

本人による追認拒絶の可否…可

(3) 無権代理人と本人の双方を相続した場合

判例は追認を拒絶できないとする

5 追認の可否が問題となる場合

無権代理人の後見人就任…被後見人の不利益を考慮

 

[七] 表見代理

1 代理権授与の表示による表見代理(109条)

(1) 「他人に代理権を与えた旨を表示」…柔軟に解釈

(2) 代理権の範囲・代理行為者・相手方

(3) 相手方の善意・無過失

2 代理踰越による表権代理(110条)

(1) 110条の趣旨…信用できない者を代理人に選んだ本人がリスクを負担する

(2) 代理人の権限外の行為…異質なものであってもよい

(3) 基本代理権の存在

(a) 基本代理権とは何か

(b) 法律行為以外の行為の代行権限…必ずしも代理権でなくてもよい(基本権限)

(c) 法定代理への適用…判例は適用肯定説

(d) 市町村長の越権行為

(e) 公法上の行為の代理権…表権代理が成立することもある

(f) 基本代理権の認定…109条との重畳的適用

(4) 正当事由…様々な事情をここで考慮する

(5) 110条に関するその他の問題

(a) 110条の第三者は直接の相手方に限られるか…限られる

(b) 110条の責任発生に本人の過失は必要か…帰責の要素は必要

(c) 94条2項と110条の援用

3 代理権消滅後の表見代理(112条)

代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない

4 表見代理の効果

 

[八] 代理と類似の観念について

使者

 

 

 

 

 

 




top