令和元(2019)年の司法試験予備試験論文を振り返ります。
この振り返り作業を通じて司法試験予備試験答案の書き方2 – 浅野直樹の学習日記をまとめることができました。
憲法
F評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案憲法 – 浅野直樹の学習日記
それなりに書いたつもりだったのにF評価でどうしようかと思いました。憲法の人権は型が定まっており、特に答案の書き方が重要になりそうです。
20条1項前段の「信教の自由」は宗教的行為の自由を含む、宗教的行為をする義務が課されてそれに従わない場合に不利益を被ることは宗教的行為の自由の間接的な制約となる、宗教的行為の自由は他の人権との調整に服する(政教分離原則)、不利益の程度や代替措置の可能性などで違憲かどうか判断、といった解釈を示せればよかったのでしょうか。
行政法
D評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案行政法 – 浅野直樹の学習日記
かなり怪しいところがありながらも、行訴法9条の解釈を示すことができていたのでD評価だったのだと思われます。〔設問2〕では「委任の趣旨に反すれば無効」という解釈を示せればよかったはずです。「委任の趣旨に反すれば無効」のように、行政法は条文に書いていないことが多いので難しいです。
民法
F評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案民法 – 浅野直樹の学習日記
これは論外の答案ですのでF評価も納得です。177条の適用を激しく間違えていますし、法定地上権に触れることもできていません。要件事実への意識も薄かったです。
商法
A評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案商法 – 浅野直樹の学習日記
あまり意識はしていなかったのですが、適用条文を提示し、その条文を解釈して、問題文の事例に当てはめるということができていたように思われます。
民事訴訟法
F評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案民事訴訟法 – 浅野直樹の学習日記
闇雲にがんばっても仕方ないという結果です。〔設問1〕では40条の共同訴訟、124条の類推適用、〔設問2〕では114条の既判力の解釈、115条1項4号の類推適用を挙げなければなりませんでした。
刑法
F評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案刑法 – 浅野直樹の学習日記
これも手応えと結果が食い違っていました。それらしいことを書いたつもりでいました。中途半端に論点らしきものを覚えて吐き出しても意味がないということでしょう。条文に即して丁寧に解釈することが求められます。条文に直接書いていない「委託信任関係」や「不法領得の意思」が難しく感じます。
また、判例と同じ結論ならさらっと書いてもよいところを、判例と異なる結論を取るならかなり丁寧に論じなければならないという傾向もあるのかもしれません。
刑事訴訟法
E評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案刑事訴訟法 – 浅野直樹の学習日記
先行する逮捕の適法性が勾留の適法性の検討材料になることを条文に即して書いたことにいくらか点が入ったのでしょう。実質逮捕の部分は答案の書き方次第でもっと点があったかもしれません。「強制処分とは個人の意思を制圧して身体など重要な利益を侵害することであり、身柄を拘束する逮捕はこれに含まれる」といった記述を最初にしておくべきでした。
法律実務基礎科目
C評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案法律実務基礎科目(民事) – 浅野直樹の学習日記、令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案法律実務基礎科目(刑事) – 浅野直樹の学習日記
基本的にはっきりとした正解があり、答案の書き方が最も影響しない科目です。
一般教養科目
F評価:令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案一般教養科目 – 浅野直樹の学習日記
結果に納得できません。ひょっとすると答案の書き方の影響が大きいのでしょうか。