浅野直樹の学習日記

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宇賀克也『行政法概説1 行政法総論 第4版』第12章「行政情報の収集」

1.申請

虚偽申請に対する罰則の例もあり

 

2.届出

届出の懈怠や虚偽記載に対する罰則の例もあり

届出義務と黙秘権…麻薬取扱者による記帳義務、交通事故の報告義務、関税法上輸入しようとする貨物の品名等の申告義務、外国人登録法の登録申請義務、医師法による届出義務で、「強要」、「不利益な供述」を否定

 

3.行政調査

(1) 意義

行政機関が行政目的で行う調査

 

(2) 種類

調査に応ずる義務の存否

強制力の有無

強制の態様

 

(3) 任意調査の限界

警職法2条1項と所持品検査…「強制にわたらない限り、たとえ所持人の承諾がなくても…許容される場合がある」(最判昭和53.6.20)

自動車の一斉検問…適法だと解される(最決昭和55.9.22)

 

(4) 行政調査手続

行政手続法では規定されず

身分証の携行・提示

強制の程度・態様次第では事前通知や裁判所(裁判官)の事前許可を不要としても違憲ではない(荒川民商事件、川崎民商事件)

呼気検査に黙秘権は及ばないとされる

 

(5) 収去検査と補償

 

(6) 行政調査と犯罪捜査

犯罪捜査目的の行政調査の禁止…「後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できたとしても、そのことによって直ちに、当該権限が犯則事件の調査または捜査のための手段として行使されたことにはならない」(最決平成16.1.20)

守秘義務と告発義務…告発義務が優先するとする説が優勢

行政調査・犯則調査間での資料の共用…証拠能力を肯定する最決があるが、独占禁止法では報告が禁止されている

 

(7) 行政調査の場所的・時間的制限

 

(8) 行政調査の瑕疵の効果

裁判例は分かれている

 

(9) 申出に基づく調査

 

4.公益通報

公益通報者保護法が2004年に制定

 

5.行政機関による情報の収集と個人情報の保護

個別的具体的に特定された利用目的を超える個人情報を収集することは許されない

個人情報ファイルだけでなく散在情報も含む保有個人情報も行政機関個人情報保護法の対象に

 

6.過剰情報収集の制限と国民の負担軽減

 

 

 



宇賀克也『行政法概説1 行政法総論 第4版』第11章「誘導行政における主要な法的仕組み」

1.金銭的インセンティブ

補助金など

 

2.金銭的ディスインセンティブ

課徴金など

 

3.情報によるインセンティブ

エコマークなど

 

4.情報によるディスインセンティブ

ハザードマップなど

 

5.規制緩和によるインセンティブ

容積率の緩和など

 

6.行政指導

 

7.市場介入

グリーン購入法など

 

 



宇賀克也『行政法概説1 行政法総論 第4版』第10章「行政資源取得行政における主要な法的仕組み」

1.金銭の取得

(1) 租税

申告納税方式と賦課課税方式

 

(2) 租税以外の金銭の取得

負担金(原因者負担金と受益者負担金)

 

(3) 公営競技等

 

(4) 当せん金付証票

 

(5) 財政専売

 

2.土地の取得

(1) 公用収用

事業認定→収用採決

 

(2) 公用使用

 

(3) 先買い

 

(4) 公共減歩

 

(5) 権利変換

 

3.物品の取得

通常、売買契約によって行われる

 

4.公務員の任用

 

 



宇賀克也『行政法概説1 行政法総論 第4版』第9章「給付行政における主要な法的仕組み」

1.給付行政と対価

有償で行われる場合と無償で行われる場合がある

 

2.給付行政と拠出

拠出制のものもあれば無拠出のものもある

 

3.官民の役割分担

補完性の原則

公的事業と民間事業が共存する場合もある

 

4.給付行政における法的仕組み

行政庁による確認の仕組みを設ける場合とそうでない場合がある

給付決定が必要な場合とそうでない場合がある

権利実現が遡及する場合とそうでない場合がある

契約という形式で行われることもある

仮給付

 

5.公物使用

自由使用、許可使用、特許使用

 

 

 

 



宇賀克也『行政法概説1 行政法総論 第4版』第8章「規制行政における主要な法的仕組み」

1.許可制

「ある種の国民の活動を一般的に禁止したうえで、国民からの申請に基づき審査を行い、一定の要件に合致する場合、禁止を個別具体的に解除する法的仕組み」

警察許可と公益事業許可

基準認証制度…政府認証制度、第三者認証制度、自己適合宣言制度

許可等の有無と民事責任の関係…直結する関係ではない

特許性…国民が一般的には取得しえない特別の能力または権利を設定する行為

 

2.認可制

「法律行為の内容を行政庁が個別に審査し、当該行政庁が効力を発生させる意思表示が法律行為の効力を補充して効力を完成させる仕組み」

具体例…農地売買、公有水面埋立法に基づき造成された土地など

認可された協定が第三者効をもつ場合もある

 

3.許認可等に共通する事項

(1) 期間・期限

期間の満了…実質的には更新制だとされる場合もある

 

(2) 融通性

譲渡・相続・差押等の対象になるかどうかは許認可等の性質に応じて異なる

 

(3) 事前手続

行政手続法の「申請に対する処分」に該当する

 

(4) みなし許認可・みなし拒否

法律により異なる

 

(5) 附款

条件、期限、負担、撤回権の留保(実益はない?)

 

(6) 基準時

処分時点(最判昭和50.4.30)

 

(7) 競願処理

先願主義と比較審査

 

4.届出制

「国民がある行動をとる前または後に、行政機関への届出を義務づける仕組み」

基本的に緩やかな規制だと言えるが、下命制と組み合わせることで厳格な規制になることもある

 

5.下命制・禁止制

定義(広義)…国民に対して一定の行動を命ずる法行為の総称

定義(狭義)…作為を命ずる場合は下命制、不作為を命ずる場合は禁止制

直罰制と行政行為介在制

 

6.行政機関による法令適用事前確認手続(日本版ノーアクションレター制度)

「民間企業等が、実現しようとする自己の事業活動に係る具体的行為に関して、当該行為が特定の法令の規定の適用対象となるかどうかを、あらかじめ当該規定を所管する行政機関に確認し、その機関が回答を行うとともに、当該回答を公表する手続」

 

7.即時強制

「緊急事態など、相手方の義務の存在を前提とせずに、行政機関が直接に身体または財産に実力を行使して行政上望ましい状態を実現する作用」

戦前の行政執行法から大幅に制限されたかたちで警察官職務執行法等へ

条例を根拠規範とすることも可能であると解される

行政手続法の不利益処分に該当しない

 

8.私人の防御的地位

不服申し立て、取消訴訟、損害賠償、損失補償

 

9.規制請求権

第三者に規制請求権が認められている場合がある

 

 




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