数年前にオンラインストレージを知人に紹介したらそれ以来活用してくれているようで、もっと詳しく知りたいと言われました。そこで私なりのオンラインストレージを比較した使い分けを紹介します。すべて無料です。
0.事前準備
オンラインストレージを使い分けるためには自分の手持ちファイルを何らかの基準によって分類する必要があります。その際の基準は更新日時、サイズ、種類、用途の4つが考えられます。私はこれらの基準を工夫して組み合わせて以下のように分類しています。
(1)作業用ファイル…新しく作ったりダウンロードしたりしたファイルは全部一つの作業用フォルダに入れ、およそ半年ごとに整理します
(2)PDFファイル…本や資料をスキャンして得られたPDFファイルがたくさんあるので別枠でまとめます
(3)プログラミング関係ファイル…Webプログラミングファイル(html, css, javascript, perl)とTexのファイルは質が違うので別枠にします
(4)その他ファイル…文字通りその他のファイル全部です
人によっては写真をたくさん持っているので画像ファイルを別枠にする、音楽ファイルを別枠にする、仕事で使う特殊なファイルを別枠にするといったことが考えられます。
1.作業用ファイルはDropBox
日々の作業用ファイルはDropBoxで決まりです。作業用ファイルは最もよくアクセスするので使いやすさが重要です。Windowsはもちろん、Linux(Ubuntu)でもスマートフォンでもアプリを導入することで手軽に使えます。それと古いバージョンを保存してくれているというのも大きな安心材料です。間違って上書き保存してしまった、なぜかファイルが壊れてしまったというときも、古いバージョンに戻れば最小の被害で食い止められます。
2.ふとしたときに参照したくなるファイルはGoogleドライブ
具体的には団体の会計簿や勤務シフト表などです。まずGoogleドライブでは共有が簡単にできます。自分だけが使うファイルならDropBoxの作業用フォルダに入れてもよいのですが、数ヶ月もするとそちらはけっこうごちゃごちゃした状態になるので、目的のファイルをぱっと見つけられるようにGoogleドライブに移行させます。常時ネットに接続しているならメモもここに入れるとよいです。gmailなどgoogleのサービスを常時使っているならなおさらです。
3.その他ファイルは丸ごとSkyDrive
オンラインストレージの使い分けというからには細かくサービスを使い分けてもよいのですが、パスワードの管理などが面倒です。それにそのサービスがいつ終了するかもわかりません。作業用と参照用ファイル以外は全部SkyDriveに入れてしまってもよいのではないかと私は考えます。昔に登録した人は25GB、今から登録する人でも7GBの容量がもらえます。また、WordやExcelファイルをブラウザで閲覧することができるのもSkyDriveならではです(Googleドライブでもできます)。
4.WebクリップはEvernote
Evernoteは他のサービスとは一風変わっていて、保存総容量の制限がない代わりに月ごとに60MBしかアップロードできません。ファイルの保存というよりはWebサイトの保存にうってつけです。ブックマークでも悪くはありませんがサイトが消えたり変更されたりするかもしれませんし、一括して検索をかけることもできません。ChromeやFirefoxに拡張機能を入れるとクリック一つで今見ているページを保存できるようになります。
ここまでが基本形です。あとはその人に応じてアレンジすればいいです。参考までに私の場合を示します。
5.本や資料のPDFファイルはAmazon Cloud Drive
本といえばAmazonという連想です。本をよく読む人ならたいていAmazonのアカウントを持っているでしょう。
6.プログラミング関係ファイルはUbuntu One
プログラミング関係ファイルはもっぱらUbuntu上でしか動かさないのでUbuntu Oneにまとめています。
7.予備の調整にSugarSync
SugarSyncは同期させるファイルを個別に設定できるなど柔軟に使うことができるので、上記に収まらない場合の予備に使えます。作業用フォルダは念のためにSugarSyncにも入れるとか、本のPDFがAmazon Cloud Driveに入りきらなくなったらその分をこちらに置くとかです。
ここからは私自身は実践していない可能性の提示です。
8.写真はGoogle+で無制限
なんとGoogle+に登録すれば写真と15分以内の動画が無制限に保存できるそうです。
参考:Google+で携帯写真を自動&無制限にクラウド保存 – フリーソフト100
9.とにかく大容量ならADrive
とにかく大容量がほしいということならADriveです。英語ですが50GBです。Yahoo!プレミアム会員ならYahoo!ボックスも50GBです。
10.セキュリティを重視するならSpiderOakやWuala
各自のPCで暗号化するので比較的安全とのことです。
いかがだったでしょうか。現時点での状況をうまくまとめられたのではないかなと思っております。間違いや他のサービスの紹介などがございましたらコメント欄かお問い合わせにお願いします。
大変参考になるブログで助かります。私も今回の情報を活用してgoogle+を活用してみたいと思います。
とても有用な情報ありがとうございました。
お役に立てたなら幸いです。クラウドストレージのサービスもいろいろと出てきたので、そろそろまとめる時期かなと思いこの記事を書きました。
Yahoo!ボックスは指定フォルダにファイルを入れると自動的にアップロードはしてくれるのですが、ダウンロードについては手動となります。
SugarSyncは、2014年2月に無料プランを終了するそうです。
たかやま様
重要なご指摘をありがとうございます。
Yahoo!ボックスは自分で使ったことがなかったので、このような使い勝手を教えていただけると助かります。
SugarSyncが無料プランを終了するというのは衝撃です。この記事で示した使い方なら予備用なのでそれほどダメージはないと言えますが、それでも老舗サービスなだけに寂しいです。
Yahoo!ボックスは、専用アプリをインストールすれば一括ダウンロードも自動同期も可能だそうです。
匿名様、「専用アプリをインストールすれば一括ダウンロードも自動同期も可能」とのことですが、それはWindowsアプリの話でしょうか? もし、そうだとするならば、それについての説明が書かれているページをご紹介いただけないでしょうか?
自分は以前Dropboxと同じように自動で同期できるかをYahoo!に聞いたところ「できない」と言われました。また、自分のWindowsPCにインストールされているYahoo!ボックアプリでは、YBOXファイルが存在していて、これは手動でダウンロードする必要があります。
たかやま様、匿名様
当方の環境(Windows7)で試してみて謎が解けました。
Yahoo!ボックスの専用アプリは以下のURLに説明があるものです。
http://info.box.yahoo.co.jp/guide/pcapp/windows-install.html
これをインストールすると、体感的には、Dropboxなどと同じように、そのフォルダに入れたファイルが自動でアップロードされ、ブラウザからアップロードしたファイルもそのローカルのフォルダの中に入っています。
しかしそのローカルのフォルダに入っているファイルはたかやま様のおっしゃる通りのYBOXファイルです。しかも1KBです。せいぜいがファイル名のリストといったところでしょうか。
そのファイルを開こうとすると、その時点でダウンロードされて、その後に開かれます。容量の小さなファイルだと一瞬の出来事なので、あたかももともとそのファイルがローカルに存在していたかのように感じます。しかし容量の大きなファイルだとダウンロードしている間は待たなければなりません。一度そのようにダウンロードして開いておくと、次からはローカルに保存されているファイルを開くことになります。
まとめますと、「Yahoo!ボックスは、専用アプリをインストールすれば一括ダウンロードも自動同期も可能(ただし一括ダウンロードはファイル名だけで、実際にそのファイルを開く際にダウンロードしなければならない)」ということです。テキストベースの容量が小さいファイルだけを扱うなら、事実上一括ダウンロードも可能だと言ってよいでしょう。
[…] 浅野直樹の学習日記 さんが的確なポイントを教えてくださっています。 […]