浅野直樹の学習日記

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浅野直樹

令和元年司法試験予備試験成績通知(論文)

令和元年司法試験予備試験論文の成績通知を公開します。過去の結果は以下のリンクにあります。

 

 

 

試験科目 順位ランク
憲法 F
行政法 D
民法 F
商法 A
民事訴訟法 F
刑法 F
刑事訴訟法 E
一般教養科目 F
法律実務基礎科目 C
合計点 174.93
順位 1705

 

再現答案も過去の記事にありますので、ご参考になれば幸いです。

 

手応えと結果があまり対応しないのが悩みです。

 



令和元年司法試験予備試験成績通知(短答)

令和元年司法試験予備試験短答の成績通知を公開します。過去の結果は以下のリンクです。

 

 

試験科目 得点
憲法 21
行政法 18
民法 26
商法 13
民事訴訟法 24
刑法 21
刑事訴訟法 23
一般教養科目 45
合計点 191
順位 340

 

一般教養科目のおかげで気が楽です。



令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案民事訴訟法

以下民事訴訟法についてはその条数のみを示す。

 

〔設問1〕

第1 訴訟承継

 X2側としては、訴状を裁判所に提出した時点で訴えは係属しており(133条1項)、訴訟代理人がついている場合は当事者の死亡によっても代理権は消滅しないのであって(58条1項1号)、X1の相続人であるAなどに訴訟を承継させるべきであると主張すべきである(124条1項)。

 

第2 選定当事者

 X2側としては、選定当事者(30条)として、X2の選定をすべきである。X1とX2はYから甲土地を共同で購入しているので、共同の利益を有する多数の者である。多数というのは二人以上であればよい。そしてX1及びX2は、団体としての組織を備えておらず、構成員の脱退によっても団体が存続することもないので、法人でない社団(29条)には該当しない。よって、そのX1及びX2の中から、全員のために原告となるべき一人として、X2を選定することができる(30条1項)。そうすると、X1は当初から訴訟行為を行っておらず、X1は当然に訴訟から脱退するので(30条2項)、X1の死亡は影響を及ぼさない。

 

〔設問2〕

第1 法人格否認の法理

 Yは株式会社であり、会社は法人である(会社法3条)ので、Zとは別人格である。しかし、法人格が濫用されている場合や形がい化している場合には、法人格を否定するという法人格否認の法理が認められている。本件ではまさに強制執行を免れる目的で法人格が濫用されているので、Yの法人格が否定され、Zと別人格であるという主張ができなくなり、Zの主張を排斥できる。一般に、法人格否認の法理が主張されるのは、会社とその代表者との間のことであるが、本件ではY社の代表者であるBが関与してZに甲土地の所有権移転登記手続をしているので、YとZとの間で法人格を否認してもよい。

 

第2 対世効

 会社に関する訴えでは、第三者に対しても効力を有するという対世効が定められている(会社法838条、846条の7等)。本件では、会社の組織に関する訴えではなく、通常の取引行為であるが、会社が関与していることに変わりはないので、X1らが対世効を主張することが考えられる。

 

第3 黙示の義務承継

 YからZに対する贈与を原因とする所有権移転登記の存在を、前訴の係属中にX1らが知っていたとしたら、義務承継(50条1項)の申立てをしたはずである。そこで、X1らとしては、黙示の義務承継が成立していると主張したいところである。

 

第4 虚偽表示

 YからZに対する贈与が、BとZとの通謀の虚偽表示により無効(民法94条)だと判断されると、Zの主張を排斥できる。

 

以上



令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案商法

以下会社法についてはその条数のみを示す。

 

〔設問1〕

第1 決議事項として予定されていなかった事項の決議

 Dとしては、本件取締役会で決議事項として予定されていなかった事項を決議したことが不当であると主張することが考えられる。しかしそのことを禁じる定めは会社法に存在しない。確かに、取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間前までに、各取締役に対してその通知を発しなければならない(368条1項)と定められている。しかし、取締役会では経営に関する事項を機動的に決議することが必要であり、決議事項として予定されていなかった事項の決議をすることも禁止されていない。よってDの主張は当たらない。

 

第2 Dが本件取締役会決議への参加が許されなかったこと

 Dは、自分が本件取締役会決議への参加が許されなかったことが違法であると主張することが考えられる。Cは決議について特別の利害関係を有するという理由でDを議決に参加させなかった。これは369条2項を根拠にしていると思われる。同項の趣旨は、取締役は忠実義務(355条)及び委任に基づく善管注意義務(民法644条)を負うところ(これら2つの義務は同じものであると解されている)、取締役の解任や利益相反取引(356条)など、類型的に取締役と会社の利害が反する場合には、先述の義務を果たすことが期待できないとして、議決から排除するということである。本件ではまさにそのような場合に当たるので、Dは特別利害関係人として本件取締役会決議に参加できず、このDの主張は当たらない。

 

第3 Dの取締役からの解任を目的とする臨時株主総会の招集手続

 Dは、この臨時株主総会は急な開催であって不当であると主張することが考えられる。確かに、株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間前までに、株主に対してその通知を発しなければならず(299条1項)、本件取締役会決議を行った令和元年5月9日から臨時株主総会が開催させる同月20日までには11日しかない。しかし、同項のかっこ内では、298条1項第3号または4号(書面による議決権行使または電磁的方法による議決権行使)に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間前でよいとされているので、Dの主張は当たらない。甲社株式の全部につき譲渡制限があるので公開会社ではない(2条5号)。

 

〔設問2〕

第1 丙社が本件会社分割により取得した甲社株式40株について

 Dによるこの40株の議決権行使が認められれば、行使された議決権100個のうち40個の賛成となり、本件株主総会決議は成立しない(341条)。そこでこの株式について検討する。
 甲社株式は譲渡制限株式であり、譲渡について会社に対抗するためには、取締役会の承認の決議を得なければならない(139条1項)。本件では、この承認の決議が得られていないので、Dが議決権を行使することはできない。この株式譲渡は、会社分割によるものであり、吸収分割承継会社(丙社)が、吸収分割消滅会社(乙社)の権利を包括的に承継するのであるが、それにより譲渡制限を潜脱できるとなると不当なので、原則通り取締役会の承認の決議が必要である。

 

第2 Aが有していた甲社株式100株について

 Aが有していてB、C、D、Eが共同相続した甲社株式100株について、本件株主総会決議に反対の議決権が行使されたら、あるいは少なくとも議決権を行使することができる株主の議決権に含まれれば、議決権を行使することができる株主の議決権の数が160個または200個になり、いずれにしてもその過半数が出席するという要件を満たさない(341条)。先述した甲社株式40株について議決権を行使することができると考えれば200個であり、そうでなければ160個である。
 Aが有していてB、C、D、Eが共同相続した甲社株式100株については、株主名簿(121条)の名義書換や、共有株式についての権利を行使すべき者の指定(106条)がなされるのが理想的である。しかし、同族会社などで相続を機に争いが発生し、共同相続された株式についてこれらの手続ができなくなる可能性は十分に考えられる。そうした場合には、大きな割合の株式が相続されその株式の議決権が宙に浮くことになり、比較的小さな割合の議決権で、取締役の解任といった大きな事柄の議決をされてしまうおそれがある。本件がまさにそのような場合であり、こうしたことを防ぐために、民法の共有の規定に従うことも許されるべきである。株式の議決権の行使は、共有物の変更となるような会社の解散の議決(471条3号)をするときなどを除き、共有物の管理に当たるので、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(民法252条)。よって、Aが有していた甲社株式100株も議決権を行使できることになる。よってDの主張は認められる。

 

第3 手続

 Dは、上記の主張を、株主総会の決議の取消しの訴え(831条1項1号)にて行うものと考えられる。

 

以上



令和元(2019)年司法試験予備試験論文再現答案民法

以下民法についてはその条数のみを示す。

 

〔設問1〕

第1 AがCに対して行った本件土地の贈与(以下「本件贈与」という。)について

 本件贈与が有効であれば、平成20年4月1日の時点でCが本件土地の所有権を取得し、Bは無権利者となるので、そのBから競売を経て本件土地を取得したDも無権利者となり、Cとは対抗関係に立たないので、Dが登記を得ても、DのCに対する請求は認められないことになる。そこで本件贈与の有効性について検討する。
 本件贈与が負担付贈与(553条)であれば、撤回はできないので、平成20年4月1日の時点で本件土地の所有権はAからCに移転する。しかし、本件では、単に家業の手伝いをしてもらったことに対する感謝としてとしか書かれておらず、対価性、けん連性に欠けるので、負担付贈与には当たらない。
 本件贈与が書面でなされていれば撤回できない(550条本文)が、書面でなされたという事情は見当たらない。
 本件贈与が書面でなされていなくても、履行の終わった部分については撤回できない(550条ただし書)。土地については引き渡し及び登記の移転が履行であり、本件では引き渡しはされているが登記の移転はされていないので、履行が終わったとは言えない。
 以上より、本件贈与は撤回できる。そしてAを相続により包括的に承継したBが、あるいはそのBの権利を代位行使(423条)したDが、その撤回をしていると考えられるので、この点に関してCはDの請求を拒むことはできない。Bは無資力であり債権者代位の要件は満たしている。

 

第2 Cの本件建物を存続させるための法律上の占有権限について

 Bが平成28年4月1日に本件土地について所有権移転登記をして、これが先述の本件贈与の撤回に当たるとしても、Cは本件建物を存続させるための法律上の占有権限として使用貸借(593条)を主張することが考えられる。Bはそれ以降もCに対して本件土地を明け渡すように請求することはなく、それどころかかえってBはDに対してCは本件土地を無償で借りていると説明しているのだから、黙示の使用貸借が成立していると解釈できる。
 問題はこの使用貸借に借地借家法の規律が及ぶかである。というのも、同法では、「賃借権」とされているからである。もっとも、これは、建物所有を目的とする場合には、一般に使用貸借ではなく賃貸借が用いられることは反映しただけに過ぎず、ことさらに使用貸借を排除しようとする趣旨ではない。本件では、Cは贈与を受けたと思い込んでいたのであり、仮にその贈与が撤回されたことを知ってBから賃料を請求されたとしたらそれに応じていたであろう。よってこの使用貸借にも借地借家法の規律が及び、同法3条により借地権の存続期間が30年となり、CはDに対抗できる(借地借家法10条1項)。Cは本件土地の上に借地権者であるCが登記されている建物を所有している。
 なお、このように解しても、対抗力のある借地権の負担があるものとして本件土地の担保価値を評価していたDは害されない。

 

〔設問2〕

 CのDに対する請求の根拠は、短期の取得時効(162条2項)であると考えられる。そこでまずその短期の取得時効について検討する。

 

第1 Cによる本件土地の短期の取得時効

 Cは、本件土地の占有を、Aから引き渡しを受けた平成20年4月1日に開始し、平成30年4月1日の時点で占有していた。よって、十年間占有していたことが推定される(186条2項)。所有の意思は外形的、客観的に判断するところ、Cは占有を開始した直後の平成20年8月21日までに本件土地上に本件建物を建築して居住を開始した。よって所有の意思があると言える。平穏かつ公然は186条1項で推定される。自己の物でも時効取得できるので「他人の物」ということは問題にならない。Cは、Aから贈与を受けたと思って本件土地の占有を開始したのであり、Aは真実本件土地の所有者であったので、善意かつ無過失である。186条1項及び2項の推定をくつがえすような事情も見当たらないので、Cによる本件土地の短期の取得時効の主張は認められる。

 

第2 Dについて

 Dは、Cに対して、本件土地の抵当権の承認を迫るか、あるいは抵当権の確認訴訟を行うことができたのであるから、CのDに対する請求が認められると解してもDにとって酷ではない。

 

以上

 

 

 




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