本書の評論や演説は、異なる時期に異なる層の人々に宛ててなされたものなので、重なり合う部分がかなり含まれており、いくつかのテーマは複数の箇所で取り上げられている。しかも、索引を作ることができなかったので、章のタイトルからかれている位置がわかる場合を除けば、以前に読んだテーマにあとから戻ろうと思っても、簡単にはいかないだろう。
そこで、大雑把で不完全ながらも(それぞれの項目に関連したすべてのトピック、議論を網羅しているわけではない)、このガイドを作った。読者が読みたいと思っている思想や説明についてヒントが見つかれば幸いである。
ジュリー・サスマン、P.P.Α.
1章は、本書で取り上げられているソフトウェア関連のすべてのトピックについて概要を示している。20章も同様である。
ソフトウェアとは無関係なトピックについては、後述の「プライバシーと個人の自由」、「知的財産権」、「著作権(コピーライト)」の項を参照していただきたい。
GNU プロジェクトの歴史については、1章と20章を参照していただきたい。20章には、GNU という再帰的な頭字語(GNU's Not Unix、グニューと発音する)の起源と発音についての楽しい説明がある。
後述の「Linux、GNU/Linux」の項も参照していただきたい。
FSF については、1章、20章と、18章の「フリーソフトウェアへの資金提供」を参照していただきたい。
11、12、13、16、17、19章を除くすべての章がフリーソフトウェアを扱っているので、本書でフリーソフトウェアについて議論しているすべての箇所を示そうとは思わない。
フリーソフトウェアの歴史(フリーソフトウェアから私有ソフトウェアへ、そして再びフリーソフトウェアへ)については、1章を参照していただきたい。
フリーソフトウェアの定義については、3章を参照していただきたい。同じ定義は、他のいくつかの章でも繰り返されている。
「フリー」という単語の曖昧さ、「フリー(無料) ビール」という意味ではなく、「フリースピーチ(言論の自由)」という意味でこの単語を使っている理由については、1章と6章の「曖昧さ」を参照していただきたい。
後述の「ソースコード、ソース」、「オープンソース」、「コピーレフト」の項も参照していただきたい。
21章では、フリーソフトウェアという単語を21か国語*1に訳してある。
ソースコードについては、フリーソフトウェアの議論全体で言及されている。ソースコードというのが何のことかわからない読者は、「ソフトウェアについてのコメント」を参照していただきたい。
Linuxの起源、および Linux (オペレーティングシステムカーネル)とGNU/Linux(オペレーティングシステム全体)の違いについては、1章の「Linux と GNU/Linux」という短い説明と、20章の長い説明を参照していただきたい。
オペレーティングシステムを指すときに、Linuxと省略せず、GNU/Linux と呼ぶ理由については、5章と20章を参照していただきたい。
私たちが長い間存在して当然と考えてきた個人の自由、プライバシー、書かれたものに対するアクセスが失われることについての警告に関しては、11、13、17章を参照していただきたい。これらの議論は、すべての読者を対象としている。
オープンソース運動とフリーソフトウェア運動の違いについては、6章を参照していただきたい。このことについては、1章(「オープンソース」)と20章でも触れている。
「知的財産権」という用語がいわゆる「知的財産権」問題を考える上で誤解の原因にも障害にもなっている理由については、21章で説明してある。16章の冒頭も参照していただきたい。
特定のタイプの「知的財産権」については、後述の「著作権(コピーライト)」と「特許」の項を参照していただきたい。
注意:著作権についての言及の大半は、ソフトウェアについてのものではない。
著作権の歴史、11的、実施、効果、および著作権に対する妥当な方針については、12、19章を参照していただきたい。私たちが属するデジタル時代において非常に重要な意味を持つ、e-book、DMCA (Digital Millennium Copyright Act:デジタルミレニアム著作権法)などのトピックもここで扱っている。
特許と著作権の違いについては、16章を参照していただきたい。
フリーソフトウェアとフリードキュメンテーションの推進のために著作権を活用することについては、次の「コピーレフト」の項を参照していただきたい。
コピーレフトの説明とそれが著作権制度を使ってフリーソフトウェアを推進している仕組みについては、1章(「コピーレフトと GNU GPL」)、14章、20章を参照するとともに、次の「ライセンス」の項も参照していただきたい。
15章では、コピーレフトが実際的で効果的であるとともに理想的であるという議論をしている。
9章は、フリーソフトウェアに付属するフリーマニュアルを論じている。
ソフトウェアとマニュアルのコピーレフトを推進するために活用できる GNUライセンスについては14章で紹介されている。また、第4部は、すべてライセンスに充てられている。
特許と著作権の違い、およびソフトウェアの特許に反対する議論、ソフトウェアが他の特許対象の発明と異なる理由については16章を参照していただきたい。この章では、米国以外の国々でのソフトウェア特許政策についても論じてある。
これらの用語の正しい使い方については、1章の頭を参照していただきたい。
本文に一切の変更を加えず、この著作権表示を残す限り、この文章全体のいかなる媒体における複製および頒布も許可する。